ビエンチャンで開催されたアジア欧州首脳会議

10/5-6の2日間、ラオスの首都ビエンチャンでアジア欧州(ASEM - Asia-Europe Meeting)首脳会議が開催され、日本から野田首相が出席しました。日本では野田首相がラオスに到着するまでほとんど話題になっておらず馴染みの薄い感じでしたが、ヨーロッパと政治、経済、文化の相互協力と連携強化のための会合で、1996年に第1回会合が開催され、2004年からラオス、カンボジア、ミャンマーも参加し、現在、49カ国と2機関で構成されています。首脳会議は、2年ごとに開催され、アジアとヨーロッパで交互に開催されており、今回はラオスで開催されました。

大規模な国際会議は、2004年11月に開催された第10回ASEAN会議以来となります。ただ規模的には、このASEAN会議と一回り違うため、ラオスは中国や日本などの支援を全面的に受けながら、国際会議開催のためのインフラ整備を行なってきました。具体的には、国際会議場、各国要人の宿泊するホテル、各国の政府専用機の駐機スペースなどです。特に中国はすさまじく、国際会議場、宿泊施設、空港改修工事、いずれも中国の支援で、日本も空港改修工事(空港駐機スペース、保安設備、要人スペースなど)を支援していますが、中国の支援規模から比べるとすっかり影が薄くなっています。

2009年に開催されたラオス初の国際競技大会であったSEA GAME(東南アジア競技大会-東南アジア版のオリンピック)でも中国が支援してメインスタンドとなる新国立競技場を建設しています。

日本では、尖閣諸島問題で、野田首相、中国の温家宝首相の動向が注目されていましたが、ラオスでは、今後、中国の支援で高速鉄道などの建設が予定されるなど、中国のプレゼンスがさらに増し、中国との従属的関係を強いられることが懸念され、この束縛からどのように脱却し経済成長を維持するかが大きな課題となっています。