サイニャブリのエレファントフェスティバル(行き方編)

サイニャブリのエレファントフェスティバルは行くのが大変だよ、と以前に書きましたが、やっぱり大変でした。どう大変だったか書きたいと思います。この大変さを理解することはラオスを旅行する際のヒントになると思います。観光立国を目指すラオスとしてはできれば改善してほしい点でもあります。

20090126_象祭り開催場所

■ まずは行く方法

まずサイニャブリの場所を確認しましょう。以前にも掲載したことのある地図を下に示します。サイニャブリはラオスで唯一メコン川の西側に位置する県です。地図で表現出来ていませんが、このサイニャブリ県とビエンチャン県の間にはメコン川に沿って1000M級の山々が連なっており、横に突っ切ることが出来ません。このためビエンチャンから陸路の場合は、国道13号線をルアンパバーン方面に向かって北上し、ルアンパバーンの手前のシェーングンで左折して向うことになりますが、国道13号線のバンビエン以北?シェーングンは、外務省が「渡航の是非を検討してください」としているエリアになるため、通過することが出来ません。(多くの旅行者がこの区間をバスで移動されていることは承知していますが。)

また、ビエンチャンからメコン川で船で行く方法なども考えられますが、パークライまではビエンチャンから定期便があるものの10時間かかり、そこからサイニャブリに乗り換えて、最低でも2日間はかかることになり現実的ではありません。

ということで現実的な選択肢は、ビエンチャンからだとルアンパバーンまで飛行機で行き、そこからバスということになります。

■ 飛行機

ということで飛行機のチケットの確保が必要です。ビエンチャン・ルアンパバーン間は、ルアンパバーンが世界的に人気の観光地ということもあり、一日4便程度運航しているのですが、どうしても利便性の良い朝晩の便に利用者が集中します。私はエレファントフェスティバルに行くと決めたのが1月下旬でしたが、朝一番の便である09:15発を予約しようとしたところ、あと2席でギリギリ予約できました。実はこの便(2/13 09:15)は、運の悪いことに2/12に日本からの民間機初のラオス直行チャーター便で来られた日本のお客さんのうち、Bコースの人がルアンパバーンに向かう便で、約60席のうち9割が日本人という便でした。

帰りの便(2/16)も実は予約段階では18:50、19:50の2便とも満席で、やむなく13:40の便を予約しました。18:50の便は前日までは空席があることをインターネット上で確認していたのに。。。帰りの便は、予約した翌日に19:50の便にキャンセルが入ったのか空席が出来たようなので、慌ててフライト変更しました。その後、すぐに満席です。この19:50はタイ人の団体旅行が入っていました。

といったことで飛行機の手配も結構大変です。飛行機の空席状況は、ラオス航空の本国サイト(http://www.laoairlines.com/)で確認できます。リアルタイムで状況が確認できますので便利です。

■ 路線バス

サイニャブリ行きのバス ルアンパバーンからサイニャブリ行きのバスがルアンパバーン市内からだと南2.7キロいったところにあるナールアン(NaLuang)バスターミナルから出ています。下の写真を見ていただくとわかるようにビエンチャン(VTE)、バンビエン、ポンサワン行きなども出ています。日本の外務省によるとサイニャブリ以外はいずれも陸路での移動は推奨されていません。

さて、サイニャブリですが、09:00、13:00の一日2便です。フェスティバルの期間中、臨時便08:00発があるようなことがエレファントフェスティバルの主催であるエレファントアジア(http://www.elefantasia.org/)のウェブサイトに書いてあったのですが、あったかどうか微妙です。 (追記:増便があったみたいです。)
実は、そもそもサイニャブリは観光地でないため、情報がほとんど無く、ロンプラの情報も数年前のもので、午後のバスがあるかバスターミナルに行くまで定かでない状況でした。

ここでのポイントは、時刻表に(バスターミナルへの)バスの到着時間が書いてあることです。注意深く見ていただくと、一番下のサイニャブリは、09:00、13:00発という意味ではなくて、09:00にバスがバスターミナルに到着し、13:00に出発するという意味です。私は、飛行機は予定通りに09:15にビエンチャンを出発し、ルアンパバーンに到着したのが09:50、それから両替をして、エアポートタクシー(50,000KIP)でバスターミナルに到着したのが10:25でしたが、すでにバスの席は半分以上埋まっている状態でした。窓口でチケット(40,000KIP)を買い、わかっていたのですが念のため「13:00発でしょ?」と聞くと、「満席になったら出発だよ。」とのこと。そうなんですよね、ラオスの場合は、満席になれば時間前でも出発、逆にお客さんが十分でないと客を待つためにゆっーくり出発することなります。このあたりのアバウトさが時間が限られている旅行者にとっては非常に厳しいところ。ということでバスは定刻の1時間10分前の11:50にバスターミナルを出発しました。ラオス人の女の子のグループはどうやら予想以上に早い出発に友達が間に合わないようで悲しそうな顔でバスを見送ってました。

バスには座席が45席ありますが満員で、小さな椅子を通路に置いて約60名ぐらい乗車していたと思います。外国人は10名くらいでした。

NaLuang Bus Terminalルアンパバーン・ナールアン(NaLuang)バスターミナルの時刻表

■ 埃まみれの道路とメコン川越え

路線バスは最初の20キロは、舗装された国道13号線を南下していくので快適ですが、シェーングンで、ルアンパバーン方面からだと右に折れた国道14号線になると道が急に悪くなります。簡易舗装を一度はしているようなのですが傷みが激しく、ほとんど未舗装道路状態のような感じになり、車が行き交うと埃で一面真っ白になります。山道でもあり、タードゥア港の手前では、300m以上登る峠越えがあります。バスが故障したらと思うとちょっとぞっとします。

サイニャブリに行く場合のもう一つのポイントは、メコン川越えです。非常に趣きがあるのですが、フェスティバルのように車両が多い場合は問題で、乾季は川幅も狭くなるため、1台のフェリーのピストン輸送になります。1台のフェリーでは自動車10台が運搬出来ます。このため、ピーク時には2?4時間待ちになったようです。私の場合は、行きは1時間待ちで、帰りは1時間40分待ちでした。

メコン川のフェリー

実は、帰りは、本当は、2/16(月)を予定していたのですが、行きの車の数を見て、一気に地元の人も含めて帰る最終日翌日はやばいと感じて、2日目のフェスティバル見学は諦めて、2/15(日)にルアンパバーンに戻ることにしました。

■ 帰りのバス

行きも満員だったので、ルアンパバーンに戻れない可能性があると思い、2/15(日)に朝便でルアンパバーンに戻ることにしました。09:00、14:00の2本あるようです。09:00発に乗るため、06:00に起床して、エレファントフェスティバルの会場から市場まで約1キロ歩いていき、ここでトゥクトゥク(20,000KIP)に乗車し、約3.7キロ離れているバスターミナルに向かいます。そもそも、トゥクトゥクもサイニャブリはあまり走っていません。

バスターミナルに到着したのが06:40で、到着したときはまだ人が少なかったのですが、次々と乗客がやってきます。バスは予定より20分早く08:40に出発となりました。実際はもっと早く出発出来たはずだったのですが、ラオス在住のスイス人夫婦が非常に遅くきたにも関わらず、予約されているラオス人の席に強引に座っていて、席を譲らなかったので揉めて遅れました。この夫婦は、ラオス人相手ならわがままが通ると思っていたようで、非常に不快でした。

やはり帰りの方が時間がかかり、フェリーで渡るのに1時間40分かかりました。

サイニャブリからルアンパバーンのバスラオス語のみですが、ルアンパバーン行き、07:00到着、09:00出発と書いてあります。

■ まとめ

やはり、予想した通り公共交通手段での移動は大変でした。飛行機の手配、バスの乗車とも、結構、運が良かったという要素が強く、確実に旅行するのが本当に難しいというのが実感です。正直、バックパッカーのような旅慣れた方でないと、みなさんにぜひ行ってみてください、と言いにくいです。それでも、欧米人のカップルや年配のおばあちゃんの一人旅が元気よくスマートに旅行しているのを見ると、ぜひ日本人の方にもチャレンジしてほしいなぁと思ったりもします。

バスはこのサイニャブリに限らず、集まったら定刻前でも出発します。(実は飛行機も同様です。) 反対に集まらないと出発しないということもあります。出発しないのはバスだけではなく、船や国内線の飛行機なども同様です。さすがに飛行機は概ね2週間前にわかりますが、計画変更を余儀なくされることになるので、短期旅行が主流の日本人には頭が痛く厳しいものがあります。

このため、ラオスを国内旅行する場合は、午前に移動するのが鉄則になります。事前予約が出来ないラオスでは、バスターミナルには少なくとも1時間前に到着しておかないと良い席を確保するのが難しくなります。

最後に、立地上行くのが大変なサイニャブリですが、将来はアクセスが大きく改善されそうです。ひとつは、埃まみれとなる国道14号線が再舗装される計画があること、そして、メコン川に橋を架ける計画があることです。また、場所がよくわからないのですが、ビエンチャン県からサイニャブリ県に横に突っ切る62キロの道路も建設しているようです。この道路は、たぶん、ナムグムダムの横あたりからパークライとサイニャブリの間ぐらいの場所に抜ける峠越えの道だと思いますが、出来るとアクセスは大幅に改善されると思います。

(2009/02)