空洞化するルアンパバーン

托鉢もいつもと違って驚いたのですが、それ以外にも気になる点が今回はいろいろありました。

ルアンパバーンに到着した日、メイン通りを歩いていたら一番良い立地にメイソウ(MINISOU・ラオス語でも”ミニソウ”)が出来ていてびっくり。2018年6月にオープンしたみたいです。ミンソウは日本の無印良品とダイソーを足したような雑貨店です。日本にフロントオフィスがあり、「メイソウ」のカタカナ表記をしていて日本ブランド風にしていますが実体は中国のお店です。ビエンチャンのラオス人の友人も日本のお店だと思っていました。ラオスでもこのルアンパバーン支店が7店舗めだったみたいです。ビエンチャン市内に店舗を展開しています。タイなどにも出店し世界中に店舗展開しはじめている最近勢いのあるお店です。ルアンパバーンのメイン通りにあるのは非常に違和感があります。観光地にいきなりダイソーがある感じです。これが最初に気になった点です。

MINSOUルアンパバーン店

そして、帰国前日に一日フリーでルアンパバーン市内を歩いて感じたのは、新しいゲストハウスが増えていて乱立状態であると同時にFor Rentの看板が至るところにありました。すでに人が住んでいない感じです。

空家が目立つルアンパバーン

空家が目立つルアンパバーン

空家が目立つルアンパバーン

歩いていて強く感じたのは猫がいないのです。2014年に「猫スポット、ルアンパバーン」という記事を書きました。ルアンパバーン市内をちょっと歩くと猫がいたるところにいました。その猫がいないのです。

ルアンパバーンの猫2013/12撮影

ルアンパバーンの猫2014/08撮影

カーン川の竹橋を高台から見ることがSiphoutthabath寺院のところには若い僧侶もたくさんいて、猫もたくさんいたのですが僧侶も猫も全く見かけませんでした。夕食後に散策したところ、一匹だけ猫がやってました。猫のエサをあげたらすごいお腹が空いていたようで一心不乱で食べていました。ほかに猫がいれば、それを見てすぐに集まってくるのですがやって来ませんでした。

そういえばプーシーからこの寺院に降りてきたとき、以前は犬もたくさん寝ていて、恐る恐る通り過ぎたのですが、今回は一頭もいなかったんですよね。人と犬そして猫は共存しています。

ルアンパバーンの犬2011/07撮影 ルアンパバーンの犬は大人しいです。

Siphoutthabath寺院の猫2016/05撮影

Siphoutthabath寺院の猫2020/01撮影 お腹がすごく空いていたようです。

ルアンパバーンからウドムサイ、ルアンナムターの幹線道路沿いには中国とラオスを結ぶ鉄道建設が進んでいることがわかります。2021年運行開始となっていますがどうなるのでしょうか?幹線道路は走っているのは中国の大型トラックばかりでした。

建設中の中国ラオス鉄道2020/01撮影 ルアンパバーン近郊

幹線を走行する中国トラック

ラオスの旅行統計を見ると2013年が378万人、2018年の訪問者は419万人と+10.8%です。2015年がピークで468万人です。中国人は2013年に24.5万人でしたが、毎年増えて2018年は80.5人と約3.3倍になっています。ちなみに日本人は2013年は48,644人、2018年は38,985人と-20%、欧米人も2013年は29.8万人、2018年が23.5万人と-21%です。タイ人は2013年は206万人、2018年は193万人と-6.3%です。つまり、全体的に減少している分を中国人観光客が補う形になっていました。(2019年は470万人で中国人が前年比+26.9%とのことです。)

僧侶は托鉢で喜捨されたもち米などの食べ物で賄っていますが、地元のラオス人の信者がそれ以外にもおかずなどを寺院に持参したりしてお世話をして成り立っています。地元の信者がいなくなればそうした構図も成り立たなくなります。

まとまりのない文章になってしまいました。2016年5月に訪問したときから3年半の間のこの変化、一見すると変わっていないように見えるのですがちょっと心配です。

(2020/01)